心構えで変わる!?「スタッフ育成」の問題をなくす小さなコツ。

「自己達成予言」って、聞いたことがありますか?
不思議な話ではなくて、心理学のリサーチで明らかになった人間の心理作用です。

小学校にあがる子供達を二つに分けて、先生たちに「こっちのこどもは、IQが高い子供達です」と伝えておきます。すると、5年生6年生になる頃には、「IQが高い」と言われた子供達の成績が如実に上がります。
でも実は、2つのクラスの子供達に違いはなくて、ただ先生たちに「この子たちはIQが高い」と言っただけでした。

きっと先生たちは「頭がいい子」を目の前にすると、話し方の端々が違ったのでしょうし、成績が上がらない子がいると「自分の責任かも。彼はできるはずだ」と試行錯誤して勉強をサポートしたのだと思います。

逆を言えば、「普通に育てられるとき、『この子は可能性のある子だ』と信じられていないということ」で、その信念が人に大きな影響を与えるという話でした。



これ、部下育成、スタッフ育成にも全く同じことが言えると思います。
いつまでも育たないスタッフさんにイライラしている人と話すと、「このスタッフはいかにダメか」という信念を持って接しているのがわかります。この信念で言葉をかけると、まるで呪いがかかるように、人は成長しなくなるでしょう。

逆にこんなこともありました。
あるクライアントさんと話している間に「あれ?僕、スタッフのこと、いつの間にかバカにしてたみたいです。やめたほうがいいですねこれ」といって、「このくらいやるのは当たり前だろう」とか「ここまでやるのがプロでしょう」とかいう批判的な考え方をやめて、「彼はこれについてどう考えるか」「どんなアイデアを出してくれるか」と期待する方向に変え、接し方の仕組みを変えました。
すると、マネジメントの問題の一つ(つまり、懸案スタッフの育成)が、解消してしまったんです。

経営は、経営者さんの内面の投影なのですが、こういうところにも細かく、多大な影響を与えます。おもしろいですね。