こんにちは。経営コンサルタントの吉井りょうすけです。
組織チームを「パーパス(目的)」に基づいて運営するのが流行しています。
パーパスというのは「なんのために、この会社はあるのか」という理由のことです。
たとえば、タタ・モーターズは、「インドの貧しい人も買える、自動車を作ろう!」という目的を持っていました。普通の車の価格の3分の1〜5分の1で買える車です。こんな自動車ができたら、今まで自動車を買えなかった人が買えるようになり、仕事に出られる範囲が広がるし、普段の生活も変わります。買い物だってらくになります。
とてもチャレンジングで、意義のある目的です。この目的に世界中からトップレベルのエンジニアが集まりました。
これは、とても凄いことです。だって、トヨタやBMWのような会社にいた方が、世界最先端の技術環境で仕事ができるのに、最高の技術者が集まったのです。
目的意識があれば、「能力のある人」が集まり、「モチベーション」が上がって、業績に貢献するというのが「パーパスを中心にした組織運営」の肝でしょう。
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例にもあげた通り、「目的意識を大切にする」のは、とても意味があることです。
でも、大抵の会社のパーパスは、そこまで機能していません。社員スタッフさんに本心を聞いてみてください。「きれいごといっても、目の前の仕事をすればいいんでしょ?」と言葉が返ってくるはずです(本心を話してくれれば)。
どれだけきれいな言葉を並べても、普通は「日常業務」に目が向いて、パーパス・ドリブンな経営(目的を大事にした経営)なんて、絵に描いた餅になってしまいます。目の前に作らなければいけないパワポ資料があるのですから、当然です。
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ではどうしたらいいでしょうか?
鍵になるのは、「目的」ではなくて、その目的もとづいた、「プロジェクト」なのだと思います。
例えば「価格3分の1の自動車を作る」とか「世の中から、エイズをなくす」とか「未来永劫 電気料金0円の家を作る」とか、目的に沿ったチャレンジングなプロジェクトもつくる。そのときに「自分の会社は、本気なのだ」と、信じるようになるのです。目的を語るときに、自分たちがどれだけ偉大な未来を作ろうとしているのかを一緒に語ることで、言葉に命が吹き込まれる。そして、そのチャレンジングなプロジェクトが達成されたとき、きっと多くのお客さんからも支持されるでしょう。その「多くの人に必要とされること」が、「自分たちはいい会社で働いている」と社員さんたちの自尊感情を高めますし、会社に対する共感が高まっていくんです。
つまり、言葉は大切だけれど、それを「どうやって現実にするか」「どんな未来を作るか」を考えたときに、パーパスが機能し始めます。
鍵は「適切なサイズの、チャレンジングな、人を惹きつけるプロジェクト」です。僕はコンサルタントとして組織開発をするとき、「どんなプロジェクトに、スタッフさんたちは惹きつけられるのだろう」といつも考えます。
○○考えてみよう!○○
「あなたは、どんなチャレンジングなプロジェクトを作りますか?」
(人生、充実しはじめますよ!)