会社は個人の意思にどこまで敬意をはらうのか。

今朝は朝から頭の中でNirvanaの「come as you are」が流れています。
20年前に聴いた曲なのに、いまでも歌詞まで覚えているんですから音楽って偉大です。

そんな頭で朝起きてきてネットニュースを見てみたら、
2022年の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の記事が出ていました。
俳優大泉洋さんが主演する「源頼朝」に関する記事で、政治家(政局家?)としては優れていたけれど、弟の義経をはじめ、身内を殺したり流刑にしたりする非情さを持っていたという話でした。

こういう記事を読むと「昔は、いまよりも人間の命が軽かったのだ」、ということを思い出します。
武士でなくたって、比較的最近まで、姥捨や子供の間引きがありました。

今はあのころより、社会全体として命を大切に思っています。
時代により、僕らは右往左往しながら、大切なことを学んでいっているのです。

命を大事にするようになった僕ら。次は?

こんな変遷について考え想うのは、
次に「今は大切にされていないけれど、将来大切にされそうなものはなんだろう」ということです。

一つ思うのは、「個人個人の持つ、意図」です。

これまで社会・会社の中では「システム」が、ずいぶんと重視されてきました。
一人一人が個人の意図として仕事の中で何を重視するかではなくて、「トップが考えた戦略」をどう効率的に実行するかが重要です。頭となる経営層とたくさんの部下たち。あるいは、様々な施策を考える管理部門と、現場。
会社の命令で、日本全国転勤しなければいけない(したくない人も)、というのも典型の一つでしょうか。

人の意思はかなり狭く制限されて管理され、

個々人の「内発的動機」ではなくて、誰かが考えたことをやる「外発的動機」が重視されてきました。

これは、「個人の内面の力」を軽くみているからでしょう。

ただ、すでに「個人の内面」「個人の内発的動機をどう引き出すか」という方向での組織づくりは、はじまっています。
もちろん、分水嶺を越えて、その流れが大きくなるには、まだもう少し時間がかかると思いますが流れは止まらないと想います。

含んで越えるのが、本当の成長

ただ、「個人個人の意図を大切にした、ビジネスづくり」のむずかしさには2つあります。

たくさんの人が集まる「組織」は変化を嫌います。
何か新しいことをするのは面倒だから、なあなあでいたいと考えます(普段かっこいいことを言っている人も、保守的です)。明確に変化に抵抗する人もいます。
想像してみてください。正直、「君らの意見を聞きたい」と突然上司に言われても、話半分に聞いて、適当にお茶を濁そうとする人だってたくさんいるでしょう。自分自身、そうかもしれないと思いませんか。

「今のまま、ただただシステムを活かすための燃料として生きる、映画マトリクスのような生き方」を選択する、変化を嫌う力はあるものなのです。

もう一つ、個人個人の意図を大切にするビジネスを作るための壁は、「どれくらいの分量を、どのように個人の意図を汲み取るのか」という問題があることです。

人や組織が成長するとき、普通は「過去を、含んで越える」ものです。
「前にあったことも含んで、新しいことをやっていく」。



例えば、マーケティングが生まれたとき、世の中からセールスは無くなると言われました。

でも今は、営業を否定するのではなくて、営業の役割ももちろん重要で、同時にマーケティングが活きてくる。
「前にあったものを否定する」のではなくて、「前にあったものを含んで、次に行く」です。
よくある「過去のこれは悪いから、『それをすてて、前に行こう』」とする姿勢は、成長ではないのだと思います。

言い換えれば、「システム」もうまく使いながら、「個人の意図を反映する」ということです。
個人の意図だけを尊重してシステムを否定するのは、まだまだ成長しきれていない。

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「個人の意図を汲み取る度合い」はこれから発見しなければいけませんし、
たくさんいる社員スタッフの意図を十全に汲み取りながら、組織として成立させるにはどうしたらいいか、という方法も探さなければいけません。

その一つのヒントはティール組織ですが、ヒントの一つとして捉え、私たちも組織開発のサポートをしながら、新しい潮流をどのように会社の中に取り入れるかを考えています。

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今日の、考えてみたい問い
○あなたはどこから、一人一人が自分の意図をもって働ける組織づくりをスタートしますか?
もちろん、システムも大事にしながら。
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