スターバックスみたいにお客さんによろこんでもらうには、いかに現実を見るかが鍵なんだ。

茅ヶ崎のスターバックスへ行きました。

ディカフェのドリップコーヒーをいただきながら、
ぼんやりと周囲を見渡して、「やっぱりいい店舗デザインだな」と思いました。

ターバックスが日本で広がり出した頃、とても素敵な「グリーンのフラットデザインの壁」でした。僕は「どうしていろいろデザインされた店舗があるのに、スタバだけ素敵に見えるんだろう」と思って、いろいろ調べたら、あの店舗のデザイナーは、元々ディズニーランドでデザインをしていた人がした仕事。考えてみれば、あの頃のスタバのデザインは、プーさんのハニーハントなどのやわらかいデザインに通じる、あわい素敵なグリーンでした。

スタバについては、他にも、僕の好きなエピソードがあります。

上手な試行錯誤が、奇跡をおこす。でも、上手にやるのがたいへんですね。

スターバックスの経営コンセプトは、「サード・プレイス」です。きっと知っている方も多いのでは。
「家」と「職場」につぐ、3つ目の「自分の居場所」という意図で、居心地のいい場所を作ろうという意味です。

ただ、この「サード・プレイス」というコンセプトは、初めからあったわけではありません。
90年代、スターバックスがアメリカ国内にある程度広がったあと、改めて事業についてリサーチし、価値を再定義しました。

別のときに行った写真。ゆず シトラス & パッション ティー飲みました。

元々ハワード・シュルツは、イタリアのカフェ文化に魅了されて、「その文化をアメリカに持っていきたい」と思ったのです。
街に根づいたカフェに素敵なバリスタがいる。
軽い会話を交わしたお客さんは、エスプレッソをさっと飲んで帰っていく。
「なんて素敵なんだ」
きっと、そんなふうに思ったんでしょうね。

僕がおもしろいと思うのは、ここからです。
その頃はまだ、スターバックスはコーヒー豆を売る地方の小さなお店でした。
ハワード・シュルツは、オーナーに許可を得て、その店の片隅でカフェをスタートします。

そのとき・・・

・最初、お店に椅子はありませんでした。
だって、イタリアで見たのは、お客さんが「さっとカフェに入って来て、さっとエスプレッソを飲んで去っていく姿」だったから。椅子がない姿をcoolだと考えました。

・ラテもありませんでした。
イタリアで提供していたのは、エスプレッソだったからです。

その頃のスターバックスには、「椅子」もなく「ラテ」もなかった。
それを、お客さんの動きをずっと観察しながら・・・

「アメリカ人は、椅子があった方がうれしいみたい」
「エスプレッソにミルクを入れた方が、よろこんでくれる」
と、現実を見て1つ1つ調整しながら、今の形にしていったんです。

このことを、僕はすごくいいなと思います。
よく僕らは「これをやればお客さんが喜んでくれるはず」ととても安易に考えてしまいます。
それでそのサービスを提供したまま、あとあと振り返ることをしません。

でも、お客さんの満足やうれしさは、誰かの頭の中にあるのではなくて、現実のこの世界の中に生まれるもの。
目の前で喜んでいる姿が、本当。それがわかると、第二創業期のスタバーバックスのような上手なトライアル・アンド・エラーが尊いことがわかります。

ちなみに似たトライアル・アンド・エラーを経てうまく行った別の例が、noteだと思います。
ブログスタンド(と言っていいのかな)のnoteです。
このグラフを見てみると、下積み期間が長かったことが伺えます。

note株式会社 「noteの月間アクティブユーザーが6,300万突破。法人利用も半年で倍増の1,600件に。」より引用(https://note.jp/n/n705929417079

グラフを見ると、最初の4〜5年、思うように伸びていないのがわかります。

この期間、僕は具体的にどんな修正があったのかわからないのですが、ずっと「使い易くなるように」細かな修正を積み重ねていました。小さい現実的な試行錯誤。
僕は、それは思っても見ない力を発揮するのだと思います。コツコツ改善を積み上げる。しかもただ「品質がいい」のではなくて、顧客満足につながる。とても大事なことを、教えてくれている気がしませんか?

吉井

#そうそう。スタバでは最近、ゆず シトラス & パッション ティー がお気に入りです。