ケン・ウィルバーを久しぶりに。

久しぶりにケン・ウィルバーを読み始めました。

ウィルバーは、「統合心理学」を研究した思想家さん。本の帯には、「意識研究のアインシュアイン」と銘打たれていますが、思想界の大物です。

これまでも不定期でウィルバーの著作を読み返してきました。
本を不定期的に読み返すのは、特別なことではありません。たとえば、SLAM DUNKも、たまに読み返します。

それでも僕にとってウィルバーを読むのは、背筋が伸びる特別な体験です。

大抵の本は「何が得られるかな」と、ある部分、受け身なスタンスで読み始めます。
でもウィルバーは、「どう読むか」を積極的に考えて読みます。

それは、その手の積極性がないと、読書中に溺れるからです。溺死する。(僕のケースです)

カバーしている領域が広いですし、本の構造的に、1つの結論に向けて論を積み上げるのではなくて、文字通り、全部の章を折り合わせて一つの本が出来上がっている。
「統合理論」「インテグラル」を標榜しているのはダテではなくて、全体で、全体のことを伝えようとしています。
だからか、読み方を意識して変えず、普段通り「ちょっとでも役立つ部分があるかな」「一番大事な部分はどこ」という意識で読みはじめると、迷子になります。

初めて読んだのは「統合心理学への道」か「進化の構造1」だったと思うんですけど、

「大事なことが書いてある気がするのに、うまく咀嚼できない!なぜ?」と驚いて、すぐ再読したのを覚えています。
もちろん、内容が難解というのもあったんですけど、読書の作法が違っていたんです。

早く読もうという気持ちも手放しているので(読み終えるけど、読み終えようという気持ち自体が希薄)、僕にとっては最も本質的に、ゆっくり対話しながら読める著者でもあります。
ペンを片手に、本に書き込みながら読んでます。

なにはともあれ、ああ、至福の読書時間です。

12Nana Takahashi、高橋 美香、他10人