スシローの成功に見る、ビジネスの土台から考える大切さ。

先日、人生で初めてスシローに行ってきました。
いわゆる「普通のお寿司」の他に、「揚げ物の握り」や「ハンバーグの握り」、「ラーメン」や「スィーツ」があって、家族みんなで楽しみました。
帰る時にずいぶん人が待っていたので、待ち時間を見てみたら70分待ちです(!)。
70分も待つなんて、僕の人生ではディズニーランドでしかないことなので、とても驚きました。なんて集客力。なんて魅力!

スシロー自身の努力はさることながら、「回転寿司」という形態が、実はいま、最も集客力がある外食形式なのかもしれないと思いました。

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回転寿司の魅力はなんでしょう?

まず、いろいろな食べ物が回ってきます。
お寿司とはいえ、安価。
普通のレストランと違って、ラーメンもスイーツも「小さめ」です。「一品食べたら、それでおなかいっぱい」にはなりません。好きなお寿司を食べて、好きなサイドメニューを食べて、いろいろな味を楽しむことができます。
注文するとレーンに乗って料理が運ばれてくるのも楽しい。

普段はすぐにお腹いっぱいになる娘も、いつも以上に食べてくれました。

それで、疑問に思いました。
「どうして回転寿司は、こんな風に進化できたんだろう」



他の業種でも、「扱っている商品の進化改善」は当然、あります。
家電メーカーは、家電をどんどん進化させていますし、普通のお寿司屋さんも、少しでも美味しいお寿司を提供できるように日々精進しています。
でも、回転寿司の変化は「家電メーカーが家電をよくする」「お寿司屋さんが、より美味しいお寿司を握る」のとは、違った規模の変化だと思ったのです。

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それで思い至ったのは、「自分たちの本分を『お寿司を提供すること』とまったく同時に、『流れる』ことと考えているからでは」ということです。
ビジネスは、人によろこんでもらうためのシステムです。それは、ビジネスパーソンとして社内で働く「個人」も、「会社」などビジネス全体のしくみで考えても同じです。
で、回転寿司と普通の寿司の違いは、「流れる」こと。流れるからお客さんがよろこぶ。流れることが、価値の源泉です。
それに気づき、自分たちの本分を、「流れる」ことと感じているからこそ、新たな工夫を模索するときに「次は何を流そうか」と考えるのでは。だって流れることが自分の本分なんだから。なんでも流したい。

ハンバーグも、ラーメンも、パフェも、アイスも、おもちゃだって、盆栽だって流したいかもしれない。それで魅力が高まるなら。

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もし「お寿司を提供すること」だけに本分をおくと、寿司は美味しくなるでしょう。
でも、工夫していく幅が「流れることが、自分たちの価値の源泉だ」と考えるほどに自由でなく、工夫の余地が減るのかもしれません。

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「パラダイム」と言う言葉があります。
この世界をどんなメガネで眺めているか、考えの土台や枠組みを表す言葉です。
(「地動説と考えるか、天動説と考えるかで、世界の捉え方が違う」と言うようなときに使う言葉です)

自分たちを、「寿司屋」ではなくて、「回転屋であり、寿司屋である」と、無意識にでも定義できていることが本当なのだとしたら、それは、根本的な「パラダイムの違い」なのだと思います。
そして、根本的な事業の捉え方が違うから、より自由に変化することができます。

あなたは自分の仕事を、「商品名」で捉えていませんか?
もう少し広く捉え直してみると、今とは違ったアイデアが生まれて、そのアイデアが積み重なることで、5年後今とは全く違ったビジネスに変えることができるかもしれません。

何にせよ、
「根本的な考え方」「自分や自社の捉え方」は、ビジネスの戦略の源泉ですね。


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考えてみたい問い
○あなたは、何屋ですか?
 自分のビジネス全体を眺めて、商品以外で、
 お客さんをよろこばせることができるパーツはどこだと思いますか?
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